毎週火曜日1958分~2022

TOKYO MXにて放送中

メディアの未来
新たなメディア生態系創造への挑戦

メディアの本質的な意味は、媒介、媒体。AとBをつなぐ「何か」を意味します。情報伝達という文脈においては、情報の発信者と受信者の橋渡しをするのがメディアの根源的な意味合いです。

古代シュメール語、楔形文字で書かれたギルガメッシュ叙事詩。当時の情報にとって粘土板は必要にして十分なメディアでした。古代エジプトのパピルス紙、蝋板、羊の皮、やがて15世紀にヨハネスグーテンベルグが活版印刷を発明すると、大衆は書物を手にするようになります。古代ギリシャの哲学者、アリストテレスは、市民が、開けた集会場に集まり意思疎通を行うことができる社会が理想的な社会だと考えていました。

やがて郵便、電報、ラジオ、テレビ、インターネットとメディアは進化を続け、集会場や、フランスパリで哲学者が意見を交わしたカフェ・レ・ドゥー・マゴ、はソーシャルメディアへと形を変えます。

こうしてメディアは、そこに流通する「情報の質と量」の変化によって最適化され、またメディア、或いはテクノロジーの進化によって「情報」そのものも進化してきたと言えます。

これから10年、50年先、メディアと流通する情報、また、そこに関わるヒト、モノ、カネはどう変化していくのでしょうか。

今回の異才は
NewsPicks  CCO チーフコンテンツオフィサーであり、気鋭のジャーナリスト
佐々木 紀彦さんです。

ゲスト紹介

株式会社 ニューズピックス / NewsPicks, Inc
取締役 CCO(Chief Content Officer)

佐々木 紀彦(ささき のりひこ)

1979年福岡県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業、スタンフォード大学大学院で修士号取得(国際政治経済専攻)。東洋経済新報社で自動車、IT業界などを担当。2012年11月、「東洋経済オンライン」編集長に就任。リニューアルから4カ月で5301万ページビューを記録し、同サイトをビジネス誌系サイトNo.1に導く。著書に『米国製エリートは本当にすごいのか?』『5年後、メディアは稼げるか』『日本3.0 2020年の人生戦略』がある。

今回の「花押」

今回の「花押」

© Calligrapher Nozomi Ichikawa

「独立不羈」

1882年、明治15年。幕末、明治の啓蒙思想家であり、教育者。慶應義塾大学の創設者である福沢諭吉は、時事新報という日刊新聞を創刊しました。ほどなく「日本一」の高級紙になりました。(昭和11年、1936年)

その当時から、福沢は、「日本一の時事新報に広告するものは、日本一の商売上手である」とのコピーを掲げ、メディアの収益化、すなわち「広告ビジネス」を手がけていたそうです。

また実業家の社交クラブ、交詢社によるコミュニティー形成、マラソン大会、美人コンテストなどのイベント主催、連載社説を書籍化しコンテンツの二次利用を進めるなど、今となっては当たり前、いえ、今でも十分に参考となりえるメディア事業を行っていたと聞きます。

そこで福沢が掲げていた言論、報道の精神は、「独立不羈(どくりつふき)」でした。つまり政治や世論、利益、外部からの影響に縛られず、自らの理念で事をなすこと、でした。

佐々木さんには「独立不羈」という言葉を花押にしてお送りしたいと思います。